国立大学附属病院への交付金減額と厚労省とは関係ないのでは?
buyobuyo さんが「妊婦受け入れ拒否問題、厚労相が全国調査を指示 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)」という記事を受けて
君らの施策のせいで医師不足になってるんじゃんか。何を白々しい。
白々しい - 捨身成仁日記
と書かれている。そこで buyobuyo さんは
同会議では、赤字の理由は国からの運営費交付金が削減されたためとしている。国立大学病院が独立行政法人化した2004年度に584億円あった交付金が07年度は367億円になっているという。
国立大学病院の半数以上が赤字経営
というJCASTニュースの記事を引用していらっしゃるのだが、国立大学附属病院への運営費交付金の算定を管轄しているのは、厚労省ではなく文部科学省ではないだろうか。国立大学附属病院は、今もそれぞれが各国立大学法人の付属機関であるはず。
たしかに附属病院への交付金は大学本体とは別枠で算定される(附属病院運営費交付金)ようだが(たとえば国立大学法人会計基準等検討会議(第2回)の配付資料)*1、やはり管轄は文科省のようだ。
いや、私も関連法規をきちんと見ているわけではないので偉そうなことは言えないのだが、国立大学附属病院長会議の、運営費交付金に関する要望書(2008.08.26)の宛先も文科省と「大学病院を考える議員連盟」になっているようだし、やはり厚労省は附属病院への交付金の減額とは関係がないように思われる*2。
別段、厚労省を擁護するつもりはないし、医療へ回る資金が減っている責任が厚労省にもあるのは間違いないだろうが、buyobuyo さんの例示はあまり適切ではないように思う*3。
2008-10-29追記
ブクマコメントにて。
2008年10月29日 kyo_ju 大学, 医療, 行政 buyobuyoさんは政府を一体とみなして批判しているのでは。
ああ、たしかに……そう考えれば buyobuyo さんの例示も別段おかしくはありませんね。医療への公的支出の減額も「小さな政府」路線の一環なのでしょうし、政府全体を批判する方が適切かもしれません(もっとも、その淵源は国民の大多数の希望なのだろう、というところが悩ましいのですが)。
それにしても、私はつい「それはどこが所掌しているのか」などと考えてしまいますが、そういうのは一種の縦割り的発想なのかも……