国立公文書館に追い風か

首相は記者団に、現在は公文書館に移管する文書を各省庁が独自に選別でき、公文書館の職員数も米国や中国に比べ圧倒的に少ないなどと指摘。「真実が国民の目に触れないのは民主主義にとって問題がある」として、公文書館機能の強化に向けた法整備の重要性を強調した。

福田首相、国立公文書館を視察=法整備の重要性強調 - 時事ドットコム

これは福田首相に激しく期待。
Apemanさんのところのコメントに書いたが、本当に日本の国立公文書館の職員数は圧倒的に少ない

職員数
日本 42
アメリ 2500
カナダ 660
イギリス 550
フランス 440
中国 560
韓国 140

ちょwどの国と比べても桁が違うwって、あんまり笑いごとじゃないんだけどな。
上の報道を見る限り、一般論でなく、けっこう踏み込んで発言しているようなので、実効性のある措置を望みたい。

で、福田首相がなんで公文書館に理解があるのだろう、と思ったら、

〔前略〕〔福田康夫首相は〕首相就任まで与党の有志議員による公文書館推進議員懇談会の代表世話人を務めるなど公文書の保存強化に努めてきたこともあり、視察後は記者団に「日本は(公文書公開が)ちょっと遅れている」と力説していた。
〔中略〕渡辺喜美行政改革担当相だが、この日の講演では「直接国が手がけるべき事業を独法化してしまった例もある。国立公文書館は本来、国の仕事といってもよいと思う」と擁護に回っていた。(07:01)
(〔〕内は引用者による補足)

首相、公文書館を視察 - NIKKEI NET 20071020

なんだそうな。全く知らなかった。で、渡辺行革相も理解してくれているようだし(すでに話ができてるのか?)、ますます期待できそう。

一方、〔渡辺行革担当相は〕「本来、国が行うべき事業が独法になっている」として、公文書などの保存を行っている国立公文書館内閣府)を挙げ、必要に応じて国の機関に戻す独法もあるとの考えを示した。
(〔〕内は引用者による補足)

国立印刷局は民営化を 渡辺行革相、独法改革で名指し - Asahi.com 20071019

という報道もある。
しかしなあ、独法の中の人に聞くと独法化の際には膨大な事務コストがかかったみたいなんだが、今更元に戻すというのでは、ちょっとやりきれないんではないだろうか。いや戻すなというわけではないんだが……独法化機関を選定した人たちの責任は結局問われないんだろうしなあ。
それと渡辺先生、「直接国が手がけるべき事業を独法化してしまった例もある」と仰る方が造幣局の独法化にご執心というのはちょっと不思議な感じがします。