冠詞云々について覚え書き

ブクマコメもしたが、どうも気になる。決して英語に詳しいわけじゃないんだが。

関連の、このエントリ−−まだ冠詞とかいう人が居る - あおしまの日記−−について。

aもtheもsomeもその他大勢も、後に続く名詞の性、数、格を決定する品詞として包括的に扱われる概念が70年代後半に提唱され、80年代に整理され議論され、90年代からはそれが主流になりつつあるのに、それに取り残されてまだこんな独自理論を編み出して自身を納得させなければならない国民が居るのは、ひとえにこの国の英語学者の怠慢が理由ではないかと私は思うのだが、如何だろうか?

まだ冠詞とかいう人が居る - あおしまの日記

たぶん限定詞(determiner)のことを言いたいのだと思うが、なぜ「限定詞」という語を出さないのかがよく分からない。ちょっと不親切な気がする。べつに親切にする義理はないと言われればそれまでだが。
英語学者の怠慢というのは、まあそうかもしれないなとは思う。そう仰っている英語教育者も現にいらっしゃるわけだし。私の場合、予備校時代の英作文の先生が「このへんの単語はdeterminerだから……」と説明してくださったので知ったが、高校までの文法の授業や参考書で出てきた憶えはない。

ですから、「That is the〜」や「There is the〜」などという文を見ないのは、「頭痛が痛い」のようなおかしな文になりますので、避けようという力が生まれるからではないかと私は考えています。

まだ冠詞とかいう人が居る - あおしまの日記

いや、「見ない」ってことはないのでは。“To be, or not to be: that is the question.”という有名な科白があるんで。たとえば、googleで“"That is the" site:bbc.co.uk”で検索するとたくさん用例が見つかる。
“There is the”についても、やはりgoogleで“"There is the" site:bbc.co.uk”として検索するとやたら引っかかるけどなあ(BBCのサイトに限定してあるのは、それなりにきちんとした英語の文章に限定したかったからで、べつにBBCに拘っているわけではない)。