日本語専門の研究所は日本には要らないってことなのか

2007年12月19日、国立国語研究所の廃止が決定された。学問や研究者達に憧憬のようなものを持っている者としては気が滅入るニュースだ。

19日までに廃止や統合などが決まった独法は次の通り。

 【廃止】日本万国博覧会記念機構国立国語研究所メディア教育開発センター緑資源機構

独立行政法人、少なくとも16を削減…政府計画の骨格:YOMIURI ONLINE

なぜ国立国語研究所が廃止なのだろうか。日本には日本語を研究する専門の研究所は必要ない、ということなのか。国立大学法人や公立あるいは私立の大学で研究が行われているから問題ない、という判断なのか。

邪推かも知れないが、今の独法改革とやらは、とにかく独立行政法人の数を減らすことだけが目的であるように思える。その中で、あまり庇ってくれるところのなかった国立国語研究所が割を食ったように見えて仕方がない。

どうやらこの国は、自国の公用語を専門に研究する組織を持てないほど余裕のない国になったということなのだろう*1。であれば、今後も様々な公的研究機関が消滅していくのだろう。

国立国語研究所が廃止された後、日本語話し言葉コーパスなどの各種日本語コーパスはどこに行くのだろうか。どこかの機関にきちんと継承されることを望む。また、同研究所の研究員たちが、なんらかの形で研究を続けていけるよう祈りたい。

*1:余裕がないのが資金なのか心なのかは分からないが